にゃんとま〜の放浪記


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★超緊縮策になれば農業団体は攻撃される2014年5月15日
2014/05/15 03:43

※2009年の民主党などへの政権交代は、2007年の参院選挙での民主党勝利があったからこそ実現したのは巷間よく指摘されるところである。

 第1次安倍内閣は、日米投資イニシアティブ協議での日米合意を実現するため、ホワイトカラーエグゼンプション(残業代ゼロ)法案を上程しようとして、厚労省官僚の反攻に遭い、農政では農家の選別策を強めようとして、小沢一郎代表(当時)率いる民主党の掲げた戸別所得補償制度が参院選挙では農村部で支持され、1人区の議席を次々と民主党候補に奪われ敗北した。この結果、衆参で多数政党の異なる「ねじれ」が生じることになった。この「ねじれ」が生じたからこそ、国会で野党が攻勢に転じることができ、2009年には政権交代が実現したのである。

 歴代の自民党内閣は、小泉内閣を例外として、財政出動に重きを置くことで、恩恵を受ける(とされる)業界団体などを集票マシンとして編成してきた。構造改革(新自由主義)論者がよく指摘するいわゆる「既得権集団」の集票力を基盤にして国政選挙では常勝してきた。

 だから支持率低下に悩む麻生内閣はリーマンショックに乗じる形で、4回の補正予算を組んだが、総額91兆円にも上るものであった。しかし衆参「ねじれ」による野党の攻勢は緩まず、西松事件の利用という半ば謀略的とも言える策を弄しても政権交代は避けることはできなかった。

 だが、実はここに今後を予測できる論点がある。

 09年衆院選挙の選挙戦、自民党劣勢が伝えられるさ中、NHKの日曜討論番組で細田博之幹事長(当時)相手に、民主党の岡田克也幹事長(当時)は、こう言い放った。

 「自民党は小泉構造改革をやり切れなかったからこそ、ダメになったんだ」

 この後、鳩山内閣が誕生し紆余曲折があって民主党政権は国民の支持を失い、自民党が政権復帰することになる。

 2012年12月、政権復帰した第2次安倍内閣は翌2013年参院選挙でも勝利し、衆参「ねじれ」も公明党が与党に留まる限りは解消することになり、現在安倍内閣は強力な基盤を得て「アベノミクス」を推進している。

 第1の矢は異次元の金融緩和策。

 第2の矢は国土強靭化という名の自民党の従来型の財政出動。

 第3の矢はTPPを中心とする成長戦略。

 安倍内閣が現時点でも支持率が高いのは、異次元の金融緩和策と従来型財政出動によるものである。第3の矢は実はまだ放たれていない。予告に過ぎない。

 まだ予告に過ぎない第3の矢の成長戦略だが、着手に至る前か、着手した後かは不明だが、第1の矢と第2の矢は早晩潰れることになっている。もう持たない。持たない理由はここでは詳しく述べないが、簡単に言えば「崩壊しないバブルは歴史的に見て存在しない」からだ。

 2009年の民主党を中心とする政権交代のキャッチフレーズのうちの1つは「ムダをなくす」であった。八ッ場ダム建設を象徴に「コンクリートから人へ」を合言葉に自民党の従来型財政出動を否定した。

 つまり、こういうことだ。アベノミクスの第1の矢・金融緩和のバブルが崩壊すると、第2の矢・自民党の従来型財政出動はできなくなる。バブル崩壊の深刻度しだいでは、即時に超緊縮策を採らざるを得なくなるだろう。そうすると安倍内閣は急速に支持を失っていく。次の内閣が自民党政権であろうがなかろうが、そのまま超緊縮策を採らざるを得ない。

 金融緩和策は実は小泉内閣の初期にもなされていた。円安誘導が続き、小泉内閣組閣時1j=108円が1年半後には132円まで円安が進んだ。しかしその後、金融緩和策が持たなくなり急速に円高へと逆転した。

 2012年12月に登場した第2次安倍内閣も、もう1年半になろうとしている。同じことが起きる。

 安倍内閣が存命してもしなくても超緊縮策を政府が採らざるを得なくなるとしたら、あるいはそのことで支持低下を極力避けようとするなら、政府はどういうことを考えるだろうか。超緊縮策とは、要するに構造改革(新自由主義)策のことである。手っ取り早いのは民主党政権が国民の人気を得たやり方=「ムダをなくす」である。

 ここに農業団体の危機がある。

 農業団体は竹中平蔵氏ら構造改革(=新自由主義)論者の目の敵である。

 アベノミクス第1の矢・第2の矢が崩壊すれば、逆説的だが、第3の矢のTPPや国内規制緩和は国民の支持を得てしまう。「既得権集団が悪」という構造改革(=新自由主義)論者が主張する構図が国民に罷り通ってしまう。

 農業団体は、要するに自民党農水族議員に騙されたのである。

 昨日(14日)、政府の規制改革会議は農業作業部会で農業規制見直し案をまとめた。時事通信が2本の記事で報じている。

『JA全農は株式会社に=農業改革案を提言―規制会議』時事通信14日16:07
 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は14日の農業作業部会で、農業規制の見直しに関する提言案をまとめた。焦点の農協(JA)改革では、地域農協から集めた農作物の販売などを行う全国農業協同組合連合会(JA全農)の株式会社化や、地域農協の金融事業を農林中央金庫などに移管するよう要望した。

 農協法に基づく全国と都道府県に置いている「中央会制度」の廃止も提言。全国の農協組織を指導する全国農業協同組合中央会(JA全中)は「新たな役割、体制を再定義した上で、農業振興のためのシンクタンクなどとして再出発を図る」と明記した。

『JA全農を株式会社化=条件付きで企業に農地保有−規制会議が農業改革案』時事通信14日19:58

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は14日の農業作業部会で、農業規制見直しの提言案をまとめた。焦点の農協(JA)改革では、生産者から集めた農作物の販売などを行う全国農業協同組合連合会(JA全農)の株式会社化などを提唱。農地を保有できる農業生産法人への企業の出資規制の緩和や、条件付きで企業に出資を通じた農地保有を認める内容も盛り込んだ。
 
 会合後に記者会見した農業作業部会の金丸恭文座長(フューチャーアーキテクト社長)は、JA全農の株式会社化を求める理由として「企業への出資などを行いやすくなり、大きな付加価値を獲得できる」と指摘した。


 遅ればせながらでも構わない。農業団体は自民党と距離を置くべきである。この規制改革会議の案がそのまま通るとは思えないが、自民党農水族議員は抵抗できない。抵抗できるのなら、TPP交渉参加も阻止できたはずではないか。

カテゴリ:TPP・農政

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