にゃんとま~の放浪記

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なぜ連合は反TPPの旗色を鮮明にできないのだろうか

―『農業と経済』5月号に早川行雄「TPP協定交渉参加国労働組合の見解 その背後にある思想ととりまく情勢」という論文があり、その中に重要な記述があるので引用しつつ、連合がなぜTPP推進なのかを考えてみたい。(なお『農業と経済』5月号・出版社HPの該当ページ⇒ http://bit.ly/IIxGpX

(引用始め)(なお色付けの部分は引用者の補足)

 国際労働運動組織の経済連携協定一般に対する基本スタンスを理解するためには、ITUC(国際労働組合総連合=連合の国際上部団体)結成大会(2006年11月)で採択したプログラム文書(運動方針)における関連記事をみるのが手っ取り早いだろう。IMFや世界銀行については「相変わらず労働者と貧困層に敵対するプログラムを実行しており、その典型が民営化の推進、貿易と投資の自由化、労働市場の規制の撤廃である」と明言している。WTOに関しては「その創設以来、持続不可能な貿易自由化モデルの牽引者となり、労働者の搾取、開発における不平等、環境破壊、ジェンダーの不平等を深刻化させてきた」と手厳しい。また「WTOには社会と労働の問題に対する絶対的なニーズがあり、貿易、社会開発、労働基準に関する常設の作業部会を設置し、そこにILO(国際労働機構)が全面的に参加すべきである」とも主張する。またこれらの問題は地域と二国間の貿易、投資、協力協定にとっても同じように重要であるとして「社会に不可欠な公共サービスである教育、医療、水道、公共交通などの基本的な公共事業を貿易自由化交渉から除外し、政府は公共の利益のためにこれらを規制し、守る権利を維持するべき」と結論している。

(引用終)

―さらに、著者によると「これは20世紀の終盤から今日にいたるまで、国際労働運動がグローバル化する世界経済のもとで新自由主義的な貿易協定(自由貿易協定)と長年にわたって闘ってきた歴史の総括的な文言」だとしている。

―なお連合の国際労働運動との関わりは、HPで明らかにしている。(連合HPの当該ページ⇒ http://www.jtuc-rengo.or.jp/kokusai/soshiki/ituc.html )この中で明らかにされている通り、連合は国際自由労連(ICFTU)経由で国際労働組合総連合(ITUC:The International Trade Union Confederation)に参画している。

―さらに、上述の早川論文には、TPPに関して交渉参加各国の対応についての記述があるので引用する。

(引用始め)(なお色付けの部分は引用者の補足)

 交渉参加各国労組は昨年2月に「投資に関して」と題するシングルイシューの共同宣言を出している。すでに見てきたように投資条項こそがTPP協定交渉の攻防の要だからである。宣言は①投資家と国家間の紛争解決手続き(国家間の機関に置き換え)、②投資家の最低保護基準(国際慣習法による保護以上でないこと)、③投資の定義(定義を狭める金融商品に特別の保護を与えない)など8項目からなる。WTOにはすでに国家間の紛争解決機関(DSB)が設置されているにもかかわらず、あえてTPPの中に投資家(TNC=多国籍企業)が投資先政府を提訴できる仕組みを持ち込むことは、明らかにISDSを水先案内人とすることで、ワシントン・コンセンサスからMAI(多国間投資協定)へと連なる、市場原理主義・新自由主義的な「自由貿易」政策へ遡行を意図していると解する外ない。

(引用終)(なお色付けの部分は引用者の補足)

―そして、著者は以下のようにTPPの問題点を指摘している。

(引用始め)

 TPPの問題点は、米国の日本に対する干渉というナショナリズムの観点でとらえられがちだが、それはまちがいではないにせよきわめて一面的な見方である。米国をはじめ新自由主義経済政策を採用する政府は、国民生活を安定させる義務を放棄し、TNC(多国籍企業)の利益代表部に堕している。現状のTPPはその意味でTNC(多国籍企業)の利益にもっとも適った協定であり、勤労国民にとって得るものはほとんど何もない。日本経団連がかつてMAI(多国間投資協定)交渉の早期妥結を求め、現在TPP協定交渉参加への旗振りに勤しんでいる理由はここにある。一方で日本の労働組合をみると連合は交渉参加そのものに反対していない。また金属労協(IMF―JC)は製造業の国際競争力の観点から積極的な推進役に回っている。しかし、連合、JCともに海外関連労組や国際上部団との連携したとりくみを謳っている。詰まるところ日本の労働組合の対応は、いわば外圧頼みの状況で、いささかの心許なさを禁じえない。

(引用終)

―日本経団連などTPP推進派が「TPPというガイアツ」を使って国内規制緩和を図っているのと対照的に、労働運動においては海外の労働運動の外圧を使わないとTPP反対に回れないというのは滑稽というより惨憺たる情況と言えないか。

―最後に、連合のTPPに対する見解を連合のHPから拾ってみる。以前はTPPに関して完全に推進となっていたが現在は修正されている。修正された「2012~2013年度 運動方針」(pdf)⇒ http://www.jtuc-rengo.or.jp/rengo/about_us/data/undo_houshin201112.pdf 。

―これの28ページ「各論その7公正なグローバル化を通じた持続可能な社会の実現に向けた 国際活動の強化」の項目3のところに「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)やASEAN+3(日・中・韓)などの地域貿易協定(RTA)および二国間FTA/EPA(自由貿易協定/経済連携協定)において、労働者の中核的労働基準が確保されることはもとより、持続可能な経済発展、国民生活や雇用の改善、環境保護、安全・健康の向上などを促すものとなるよう、関係省庁への働きかけを強め、当該国労働組合などと連携した取り組みを行う」とある。

―おぉ、随分と変わってしまったではないか。これなら安心‥と言いたいところだが、よく読むと「当該国労働組合などと連携した取り組みを行う」とある。しからば、米、豪、NZ、シンガポールなどの各交渉参加国ナショナルセンターのISDS批判に呼応した対応を日本政府に要求しているのだろうか。そんな報道は耳にしたことがない。

―反TPPの運動は全ての市民が参加・団結してこそはじめて推進側と対抗しうる。現在日本に3つあるナショナルセンターのうち2つは反TPPの旗色を鮮明にしている。連合の動きは全然見えない情況だ。国際労働運動と連携すると言うなら、その旗色を鮮明にしてほしいものだ。
  1. 2012/05/09(水) 00:51:40|
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―『農業と経済』5月号に早川行雄「TPP協定交渉参加国労働組合の見解 その背後にある思想ととりまく情勢」という論文があり、その中に重要な記述があるので引用しつつ、連合がなぜTPP推進なのかを考えてみたい。(なお『農業と経済』5月号・出版社HPの該当ページ⇒
  1. 2012/05/10(木) 18:57:05 |
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