にゃんとま~の放浪記

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『TPP交渉参加表明後の状況について』2013年3月22日にゃんとま~

TPP交渉参加表明後の状況について

 東田剛(中野剛志)氏が15日の安倍首相のTPP交渉参加表明について論理明快に分析している。

  ⇒【東田剛】安倍総理の真意 http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/03/20/korekiyo-36/ 

  東田剛(中野剛志)「要するに総理は、ずっと前から、議論の余地なくTPPに参加することを決めていたのです」

 この分析は説得力があり、じゅうぶん私も納得できるものである。上記リンクから是非読んでもらいたい。

 そして、このことからやはり、自民党は先の衆議院選挙でTPP反対を装いながら実はTPP推進するつもりであったことがわかる。しかし、そのことはここでは触れない。(参考になる論としては16日付の日本農業新聞(地方版)に載った田代洋一大妻女子大教授『幻想の排除を 粘り強く非訴える』がある。⇒ tl.gd/lb3j6m )

 衆議院選挙で大勝した自民党は組閣とともに、経済財政諮問会議の復活、日本経済再生本部の新設など矢継ぎ早に人事を決め、民間議員を多数招聘した。当初これらの行動を週刊誌の与太記事は「安倍首相の自信のなさ」から来るものと断じていたりしたものだ。また、官僚機構が安倍首相を嵌めようとしているのではとの疑念を表した竹中平蔵(産業競争力会議民間議員)のツイートなどもあった。

 ⇒竹中平蔵「明日16日(土曜日)朝、読売TVのウェークアップに出演する。産業競争力会議のことが話題になるだろう。昨日、民間議員の大臣との打ち合わせがあった。はっきり言って、いい政策をまとめるには、委員の数が多すぎる。これが、改革をしたくない官僚の”作戦”だろう。」2月15日 https://twitter.com/HeizoTakenaka/status/302175471544725505 

 しかし、(杞憂で終わればそれでいいのだがそうでもなく)事態は全く違う展開であったのである。安倍首相が衆議院選挙以前からTPP交渉参加するつもりであったとするのなら。

 ここで2月の日米首脳会談で発表された日米共同声明をいま一度読み直してみたい。

 
 (引用:サンケイ新聞電子版2月23日⇒ http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130223/plc13022323000018-n1.htm 色付けは引用者による)

(引用始め)

 両政府は、日本がTPP交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象とされること、および、日本が他の交渉参加国とともに、2011年11月12日にTPP首脳によって表明された「TPPの輪郭(アウトライン)」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する。

 日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上のセンシティビティーが存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する。

 両政府は、TPP参加への日本のあり得べき関心についての2国間協議を継続する。これらの協議は進展を見せているが、自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処しその他の非関税措置に対処し、およびTPPの高い水準を満たすことについて作業を完了することを含め、なされるべきさらなる作業が残されている。

 (引用終わり)

 この「その他の非関税措置に対処し」というのはいったい何を指すのか。また「TPPの高い水準を満たす」とは何なのか。TPPの高い水準というのは、ふつうに解釈するならば、「原則として例外なき関税撤廃・非関税障壁の解消」のことである。「牛肉・自動車・保険」の3分野は2011年秋のAPECで当時の野田首相が米国カークUSTRから突きつけられた日本のTPP交渉参加に際しての3条件、いわゆる「入場料」である。これは牛肉に対してはほぼ米国の要求を満たした譲歩を日本は行った。自動車や保険についてはまだだということなのだろう。しかし、その他の非関税措置というのは皆目見当がつかない。

 ここでひとつの疑念が浮上する。現在、規制改革会議や産業競争力会議で「解雇規制の緩和」が取り沙汰されている。まるでコイズミ竹中構造改革路線の延長のような議論がされている。しかし、そもそもコイズミ竹中構造改革とは、当時の日米協議の結果なのである。日米投資イニシアティブの日米合意によって会社法制定、商法改正、郵政民営化、派遣自由化、混合診療の解禁(一部:特区導入)などなど、次々と規制緩和というより日本が改造されていったのである。

 しかし、小泉内閣の後を受けて登場した(第1次)安倍内閣では厚生労働省の官僚たちが反攻に転じ、日米投資イニシアティブで合意していた「ホワイトカラーエグゼンプション(残業代ゼロ法案)」などを潰して現在に至っている。当時日本の労働市場の流動化を米国は毎回要求していた。(経済産業省・投資イニシアティブhttp://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/n_america/us/html/invest_initiative.html ※これの2006年の部分を参照されたい)

 もしかすると、これなのではないか。つまりTPPを日本改造計画の完遂として捉えるのならば、日本の官僚機構の反攻でいったん頓挫した日本改造計画の完遂をTPP日米事前協議で求めているのではないか。要するにいったん日米投資イニシアティブ協議で日米合意されながら履行されていないものを履行せよと米国は要求しているのではないか。

 だからTPP日米事前協議は自動車・保険についての協議はともかく、その他の非関税措置こそに重点があるのではないか。そして安倍首相が衆議院選挙前からTPP交渉参加するつもりであったのなら、組閣と同時に経済財政諮問会議や日本経済再生本部の各部門会議に多数の民間議員を誕生させたのは、このTPP日米事前協議の存在と役割が分っていて、それに対応するためだったのだ。だから大掛かりに民間議員を集めたのである。

 したがって現在進んでいる事態は19日に当欄で示したように、TPP交渉参加前にあらかたTPPと同じ効力を持つ日本国内規制緩和を成し遂げるためにTPP日米事前協議と経済財政諮問会議・日本経済再生本部各部門会議が表裏一体となって協議しているものと思われる。

 なお「「TPP参加の即時撤回を求める会」は21日の役員会で、名称を「TPP交渉における国益を守り抜く会」に変えて活動を続ける方針を決めた」日経21日⇒ http://s.nikkei.com/Ytsvmk との記事があったが、農水族(農林議員)にはどのみち出番がないと思われる。経済財政諮問会議の議決は、首相+官房長官+民間議員4名で過半数を制することができ、新設の日本経済再生本部の民間議員は東京新聞の長谷川論説副主幹を含めて全員構造改革(新自由主義)論者である。そもそも、右翼的な結合で安倍首相誕生、そして改憲を夢見て安倍首相のTPP交渉参加表明を容認し農家を裏切ったのである。

 今後この情勢にどう対応して行くべきか、皆さんと早急に議論したい。
  1. 2013/03/22(金) 03:09:30|
  2. TPP
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